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研究情報

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神経生理学的分野

てんかん外科

てんかんという病気は、100人中0.4~0.9人の方が罹患していると言われ、決して稀な病気ではありません。てんかんといえば薬による治療を思い浮かべる方が多いと思います。しかし薬で発作を抑制できる患者さんは7~8割程度であり、残りの2~3割の患者さんは発作が治まらずに苦しんでいます。こうした患者さんに対して、劇的な効果をもたらす可能性があるのがてんかんに対する手術です。

臨床データに即した研究

てんかん手術の基本は、脳の中の発作が起こる原因となる部位「てんかん焦点」 を切除することです。てんかん焦点検索のためには、脳波、CT、MRIのほか、PET、SPECT、MEGといった様々な医療機器を駆使します。こうした検査はてんかん焦点同定、てんかんの分類や発作型の診断、更には予後とも関連します。検査の精度を高めると同時に様々な検査方法を検討することが重要であり、我々はそれぞれの検査を最大限に活用する方法について基礎データを元に検討を続けてきました(Seizure 11(3), 2002; Seizure 16(3), 2007; Neurol Res 29(2), 2007; Epilepsia 51(9), 2010)。

頭蓋内電極を用いた臨床データ解析

先に述べた諸検査でてんかん焦点を同定出来ればよいのですが、出来ない場合には開頭手術を行い、頭蓋内に電極を挿入して脳表や脳の深部から直接脳波を記録することがあります。「慢性硬膜下電極」とか「深部電極」と言われるものです。こうした頭蓋内電極を用いれば最も正確にてんかん焦点を同定することができます。

てんかん焦点切除において大切なことは脳の機能分布です。脳には言語野や運動野、視覚野などといった機能的に重要な部位と切除しても何も起こらない部位があります。大まかな分布は多くの人間に共通するところですが、特に脳に病変がある人では個人差が大きいのです。術前にMRIを用いた機能的MRI(functional MRI; fMRI)や脳磁図を用いた検査によりある程度同定することは可能ですが、頭蓋内電極を挿入した患者さんの場合、この電極に微小な電流を流し、様々な方法でその反応を見ることにより脳機能の分布を直接的に調べることができます(脳機能マッピング)。また、この技術はてんかんのみならず腫瘍や血管障害の手術にも応用できます(術中脳機能モニタリングや覚醒下手術)。更に、こうした脳機能マッピングの手法は脳機能の解明に有用であり、我々は臨床データを基に様々な手法を駆使して脳機能の更なる究明に取り組んでいます。

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