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留学情報

九州大学大学院医学研究院脳神経外科教室からは、国内外の施設に臨床・研究両面で留学生を輩出しております
最近の留学先は下記の通りになります。

留学体験記

空閑 太亮先生、松尾 諭先生、舟越 勇介先生留学体験記を紹介いたします。

空閑 太亮 先生

カリフォルニア大学ロサンゼルス校へ留学された、空閑 太亮先生の留学体験記です。

はじめに
私は2008年4月から2010年9月までの2年半の間、アメリカ合衆国、カリフォルニア州にありますカリフォルニア大学ロサンゼルス校 (University of California, Los Angeles : UCLA)でポスドクとして研究留学させて頂きました。今回はアメリカでの研究、そして現地で生活することで得られた経験を短いながら報告させていただきたいと思います。これから卒業を迎える医学生、日々研鑽を積んでおられる若い医師の皆様に、将来の方向性を考えるきっかけの一つにでもなれば幸いです。
留学までの経緯

2001年に九州大学脳神経外科に入局後、大学病院および関連病院での研修を経て、卒後5年目に大学院に入学しました。研究テーマは悪性脳腫瘍の遺伝子解析でした。もともと将来は留学をしてみたいという気持ちがあったため、ある程度研究成果がまとまったころで先輩の先生方に相談し、縁あって当教室の吉本幸司先生が過去に留学していたUCLAの病理学教室で受け入れてくれることとなりました。留学先の紹介、そして留学中も色々と気にかけて頂いた吉本先生をはじめ、余裕のない人事にもかかわらず快く送り出して頂いた教室の先生方には本当に感謝しています。

研究生活について

UCLAはアメリカ、南カリフォルニアのロサンゼルスに位置する州立大学で、アメリカを代表する教育・研究拠点の一つであり、世界中から優秀な人材が集まっています。 私が所属していたのは神経病理学の研究室でした。ボスであるDr. Paul Mischelは、悪性脳腫瘍の研究において数々の素晴らしい業績を残してきた新進気鋭の研究者です。研究室の研究テーマは悪性脳腫瘍の形成に関わる基礎的な研究からナノテクノロジーを用いた腫瘍細胞の選 別の研究など多岐にわたっていましたが、UCLAの脳腫瘍内科との連携のもと様々な臨床研究にも参加しており、臨床と研究の架け橋となるTranslational researchに携わることが出来るのも非常に魅力的なところでした。

研究室は世界各国からの様々な人種から構成されており、当初、日本人は私一人でした。英語がまともに話せない私は、簡単なコミュニケーションもうまくとることができずに苦しい日々が続きましたが、ボスをはじめとした研究室のメンバーの助けもあり、少しずつ打ち解けていきました。日々の生活は、朝8時半ごろに出勤することから始まります。研究室のメンバーと議論したり、時には談笑したりしながら実験を行い、夜は遅くなることもありましたが、大体8時ころには研究室を出ていました。ミーティングなどの決まった時間以外は基本的にはスケジュールの管理は個人の自由でしたので、夜遅くまで研究をしている人、毎日昼過ぎに出勤してきて来る人など色んなタイプの人がいて自由な雰囲気でした。ただし、自由といっても研究成果を上げ、良いジャーナルに論文をのせるということに関しては全員が貪欲であり、常に高いモチベーションを維持していたのがとても印象的でした。

日本とアメリカで私が一番大きく違うと感じたのは、論文作成の過程です。日本では論文に必要な実験は最初から最後まで全て一人で行いデータを揃えていくのが一般的です。そのため、一旦行き詰まるとその後の実験が遅延してしまい、論文の作成にとても時間がかかります。一方、米国では研究の分業化や効率化がすすんでおり、他の研究室や研究施設と連携して皆で一つの論文を作り上げて行くことが多かったように思います。例えば自分たちに馴染みない実験だったりすると共同研究という形で他の研究室にお願いするといった具合です。このように研究者同士あるいは研究室同士の横のつながりがどんどんと広がり、結果として一人ではなし得ないような大きな成果へと繋がって行く様はとてもダイナミックであり、そうしたところが米国が様々な分野で世界をリードし続けている所以であると思います。

また、プレゼンテーションに関しても多くのことを学びました。私がいた研究室では週に1回のミーティングがあり、2ケ月に1回くらいの割合で自分のデータの発表が回ってきます(それ以外にも個人的にボスにデータを見せてdiscussionすることもあります)。実験の成果の有無に関わらず、しっかりと発表することが求められます。アメリカにおいてはプレゼンテーションを通して自己の成果や考えを主張することが非常に重要であり、研究室の皆がそのために入念な準備をしていました。また、実際のプレゼンテーションでは言葉の抑揚や身振り手振りを駆使して、聞いている側の印象に残るような発表をしていました。日本人にとっては苦手な分野ですが、大変参考になりました。

米国での生活について

留学生活は研究だけでなく、海外での生活そのものも貴重な経験となります。私が居たロサンゼルスは年間を通して気候は温暖で、晴れの日が多く雨もほとんど降らないので非常に過ごしやすい所でした。車で西へ15分も行くとそこは広大な太平洋で、海沿いにはサンタモニカやマリブといった有名なビーチがありますし、冬には山間部に行けば(車で2−3時間)スキーを楽しむ事も出来ます。設備の整った綺麗な公園なども充実しています。また、ロサンゼルスはメキシコとの国境が近いこともあってヒスパニック系の住民が多く、その他にも世界各国からたくさんの移民が生活していることから、様々な人種が入り乱れており、多様な分化を体験することができます。そのような環境のためか、日本では出不精な私でしたが、時間のある時には家族でビーチやピクニックに行ったり、色々な国のレストラン巡りをしたりして余暇を楽しんでいました。一方でアメリカには都会的な要素だけではなく、広大で美しい大自然も存在します。日本から来る研究者は長期休暇時に国立公園を旅する人が多く、我が家も幾つかの国立公園巡りをしてスケールの大きい壮大な大自然を満喫しました。

また、ロサンゼルスには日本から沢山の医師や研究者が来られ活躍されています。私が留学していた期間にも3〜4人の日本人脳神経外科医がおり、時々集まっては情報交換したり、一緒にアメリカの病院に手術の見学をしに行ったりしました。帰国した現在でも学会などで顔を合わせてはお互いに刺激をし合っていますし、その他にも留学がきっかけで輪が広がり、沢山の他大学の脳外科の先生方と親交を深めています。また、留学中には脳神経外科医だけではなく、他科の先生や他分野で活躍されている方々ともたくさん知り合いました。そうして留学中にお会い方々とは、今でも連絡を取り合ったりしています。こうした大学や専門の垣根のない様々な人と出会うことができるのも留学をするメリットであると思います。

終わりに
2年半の留学期間はあっと言う間でしたが、私の人生にとって非常に意味のある経験であったと思います。医師/研究者としてだけではなく、一人の人間としても多くのことを学びました。
日本を離れた異国の地で生活するということは楽しいことばかりではなく、思うようにいかないことも沢山あります。ですが、刺激的な環境の中で研究に専念し、また、余暇には異国の分化を経験するということは何者にも代え難い貴重な財産になると思います。最近留学を志す方が減ってきていると耳にすることもありますが、留学を少しでも考えている若い方々には是非躊躇せず飛び出していただきたいと思います。

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